あらしのよるに
監督 : 杉井ギサブロー
出演 : 中村獅童 成宮寛貴
101点
4回泣きました。
号泣しました。
究極のラブストーリですね。
子供向け?友情物語?そんなのウソ。
これはラブストーリーです(断言)。
まあ、ラブというものも超越したメッセージ性というものも
部分部分ひしひしと感じました。
狼と羊という本来なら相容れない関係コミュニティーに在するガブとメイ。
しかし、そんなモノを乗り越えても築けるキズナは存在するのである。
人間界でいうと、やはり僕が思いつくのは、イラク―中東の人々かな。もしくは
ユダヤ人迫害や、黒人差別しかり。
あの集団―コミュニティーは○○なんだ、付き合っちゃだめなんだ!
そういう決め付け、先入観がこういった対立には存在してます。
ガブとメイが自らのコミュニティーに戻ったときに説教されるシーンに表現されているんではないかな。
狼なんて、汚らわしくて、食べることしか頭にないんだよ…
確かに羊のコミュニティーではそういったことを前提として成り立っているわけですね。
集団で生きていくことには前提や秩序が必要であり…まあそれは結局マジョリティの意見で成り立っているものだと思うんですけど。
そして、(トラバ先のブログの言葉を借りさせていただくと)そういった集団を抜け出して自立するからには
自らに責任を負わなくてはいけない、と。そして、それは大変重いものである。
そうやってその責任の重さに押し潰されていくのが雪山のガブとメイである…
ふーむ。いろいろ考えさせられますよね。
コミュニティーの秩序を破って我を突き通していくとはいかがなものか?
マジョリティの意見で築かれた秩序を当たり前として、マイノリティの意見に目も向けないのはいかがなものか?
そもそも自分と違った集団を色眼鏡で見てしまって、理解しあうことなく傷つけあっていくのはいかがなものか?
偉大な問題提議がお子様に向けられてますね。
ガブとの関係が皆にばれて、メイが追い詰められていく。しまいには長老にスパイしろと命令されるところ。
あそこは泣けます。共感できるなあ。
かわいそうでしょ、あまりにも。
なんでメイのことを理解してあげようとしないんだろう。
メイはお母さんをなくしずっと一人で寂しかったんだよ。
あんなせまいコミュニティーにはいない寂しさの共感者・ガブの存在がとても心地よかったんだよ。
自分を必要としてくれる存在が嬉しかったんだよ。
てか、ガブが好きだったんだよ。
恋愛は障害があるほど燃えるといいますが、まさにそれですね。
思い出しきれないけど、細かい駆け引き、セリフのせつなさどれも最高でした。
もう一回みたいね。
声優もグッドです。クレジット見なかったから顔も浮かばなかったし。
成宮寛貴は最高ですね。はまり役でしょう。
中村獅童は上手くていいんだけど、ガブはもうちょっと男前の声のほうが良かったのでは。
とにかく100点ごえの大満足映画でした。